ハンガリーの首都ブダペストと、オーストリアの首都ウィーンのほぼ中間地点にある街ジェール(Győr)。いつもブダペストとウィーンを往復する際に、車でも電車でも通り過ぎていただけだったのですが、先日初めて訪れることができました。この街にはラーバ川とモショニ・ドナウ川という2つの川の合流地点があり、その川沿いの景色もとても美しかったです。
いくつか気になるお店の中で、今回は「ラ・マレーダ・エーッテレム・エーシュ・ビストロー」(La Maréda Étterem és Bisztró)で、ちょっと贅沢なランチタイムを過ごしてきました。
(訪問日:2019年3月23日)
店内の雰囲気
ほとんどが歩行者専用となっているジェールの街の中心地には、どこかオーストリア=ハンガリー二重帝国の面影が感じられるような雰囲気。お店があるのは喧騒から少し離れた細い小路沿いです。
店構えがとってもシンプルなので危うく見落としてしまいそうになりましたが、夏の季節はこのテラス席に並ぶテーブルですぐに見つかることでしょう。
中に入ると、そのエントランスからは想像できないほど、奥へ奥へと続く店内。
壁一面のワインセラーにずらりと並ぶボトルにも、心が躍ります。
ちなみに逆にホールからエントランスの方への眺めはこんな感じ。
ゴージャスに飾られた花が、洗練された空間を華やかに彩っています。
テーブルセッティングもとても素敵。
優雅な雰囲気にすっかり後押しされてしまい、さっそく白ワインを注文しました。
注文したメニュー
ほどなくして、アミューズがやってきました。こちらは注文してはいないので、サービスチャージに含まれているものだと思われます。パンは外側はしっかり、中はふわふわ。
ところで、この記事を書いている途中で知ったのですが、お店の公式ホームページによると、2019年4月1日よりメニューをリニューアルしたそうなのです。なので、記事公開時点ではもう取り扱っていないメニューもありますが、さしあたり順番にご紹介しますね。
まずは前菜に肉付き子豚のコチョニャ、ビーツ風味のエシャロット、緑のワサビ添え(Húsos malackocsonya céklás gyöngyhagymával, zöld tormával)と、
マンガリツァ豚のグヤーシュ(Mangalicagulyás)を注文。
上の2品とも2人でシェアしたいことを伝えたところ、半分ずつ分けてサーブしてくれました。なので写真は半分のポーションです。しかも、ちゃんとかわいらしく盛り付けされていたのも感激。
「コチョニャ」(kocsonya)とは、煮こごりのこと。なかなか食べられる機会がないので迷わず選びました。表面には西洋ワサビがトッピングされていて、添えらえているビーツのソースと緑ワサビのソースと組み合わせながらいただきました。
グヤーシュにはハンガリーの「食べられる国宝」とも呼ばれているマンガリツァ豚、そして皮付きのさつまいもがゴロゴロ入っていて、さらにニンジンなど千切りの根菜もたっぷり。その食感も含めて味わいました。
メインメニューより、私は鴨のデュエット: 赤身のムネ肉とモモ肉のコンフィ 〜生姜風味のキャベツクリーム、パスタ〜(Kacsaduett: rózsaszín mell és konfitált comb /gyömbéres káposztakrém, cvekedli/)を注文。
ワンプレートに2種類の鴨肉が豪快に盛り付けられてやってきました。ムネ肉はややしっかりながら、予想していた以上に柔らかい食感。そして、モモ肉の方はもうホロホロでした。ソースに絡めたり、付け合わせのキャベツパスタとともにいただいたり、その旨味をたっぷりと堪能。生姜の風味が効いたキャベツパスタもまた絶品で、実際これだけでもメニューとして成立していました。自宅でも作ってみたいです。
同行した友人が選んだのは、牛ヒレ肉の角切りパッパルデッレパスタ添え 〜ポルチーニとフォアグラのソース、グラナ・パダーノチーズ〜(Bélszíncsíkok pappardelle tésztával /vargányás libamájmártás, Grana Padano sajt/)という高級食材尽くしのなんとも贅沢な1品。
ひと口分けてもらったところ、ひとつひとつの素材そのものでだけでも美味しいのに、それらがそれぞれの持ち味を活かしながら融合しているという、完成度の高さを伺えました。赤ワインにも合いそうです。
店舗情報・アクセス
住所:9022 Győr, Apáca u. 4, Hungary
電話番号:+36-96-510-989
公式ホームページ:http://www.lamareda.hu
アクセス:
・鉄道駅ジェール(Győr)駅より、徒歩13分
改めてホームページを見ると、まだまだ魅力的なメニューが満載。なお、マンガリツァ豚のグヤーシュとメインに注文した2品は、4月1日以降もある様子です。ワインとの相性も愉しみながら、今度はディナータイムにも訪れてみたいです。
※情報は訪問日時点のものであり、変更されている可能性があります。