ハンガリーとクロアチアとの国境近くの街モハーチ(Mohács)で毎年開催されている、寒い冬を終えて春を迎えるお祭り「ブショーヤーラーシュ」(Busójárás)。お祭りが開催される時期は毎年異なるのですが、今年は2020年2月20日(木)〜25日(火)の6日間が予定されています。
(※なお、今回の記事は昨年のものを一部今年の内容に更新しました。)
見どころ
2009年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されたこのお祭りは、毎年謝肉祭の期間の最後の木曜日から翌週火曜日までの6日間開催されます。元々はこの地方に住んでいたクロアチア人の民族集団の一派ショカツ族に伝承されていたと言われています。まるで秋田の「なまはげ」のように大きな角と大きな目と大きな口のお面と、羊の毛皮の衣装が特徴的なのが「ブショー」(busó)です。
ハンガリーの民族衣装風のコスチュームに仮面を付けた若い美女をお供に連れています。
お祭りの会場内には民芸品やフードの屋台が所狭しと並んでいて、食べ歩き&飲み歩きするのもお楽しみです。
6日間の中でもクライマックスとなるのは日曜日。ドナウ川の対岸よりブショーたちが船に乗ってモハーチの街にやってきて、美女たちを連れて街中を練り歩きます。そう、「ヤーラーシュ」(járás)というのはハンガリー語で「歩行、行進」の意味。その通り、「ブショーの練り歩き」のお祭りです。
このお祭りの間、ブショーたちは女性に対していたずらしても良いということになっているようで、もう観光客に対しても容赦なく襲いかかってきます。私も2016年に初めて訪れたのですが、全力で抱きかかえられたり全身に小麦粉をかけられたりで、最初は恐怖でしかなかったです。でも毎年のことなので、さすがにだんだん慣れてきてしまいました(笑)。
日曜日はまるでお正月の初詣かと思うくらい大混雑するので、ここ数年は最終日の火曜日のみ訪れるようにしています。最終日にはパレードが終わった後に中央の大きな広場で火が焚かれます。ここに運んできた棺を燃やして冬を追い出す、という儀式だそうです。
実はこの「なまはげ」のようなお祭り、ハンガリーだけではなくブルガリアなど近隣諸国にも同じようなお祭りがあるようです。遠く離れた日本の伝承とよく似ているのがとても興味深いですね。
開催期間・入場料
開催日時:2020年2月20日(木)〜2月25日(火)
入場料: なし
アクセス
住所:7700 Mohács, Széchenyi tér 1, Hungary
アクセス:
・ブダペスト、ネープリゲト・バスターミナル(Budapest, Népliget autóbusz-pályaudvar)よりバス1131番で終点モハーチバス停(Mohács, autóbusz-állomás)で下車。そこより徒歩4分
・鉄道駅モハーチ(Mohács)より、徒歩22分
公式ホームページ:https://en.mohacsibusojaras.hu
ちなみにモハーチの街の中心地には「ブショーウドヴァル(Busóudvar)」という施設があり、その中のミュージアムではお祭りの時期だけでなく年間を通じてブショーとその文化に触れることができます。
ここのブショーたちは展示されているだけなのですが、今にも動き出しそうな臨場感があります。隣接しているレストランの料理もとっても美味しかったです。
※写真は2016年、2017年、2018年および2019年開催時のもので、2020年開催時は内容が変更される可能性があります。